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2026/08/18 法定遺言事項とは?
「遺言には何を書いても法的な効力がある」と思われがちですが、実はそうではありません。法律上、遺言によって一定の効力を持たせることができる事項が定められています。
これを「法定遺言事項」といいます。相続人への財産の分け方だけでなく、遺贈や相続人の廃除、遺言執行者の指定など、さまざまな内容があります。遺言を作成する際は、法的効力のある事項と、希望や思いを伝える「付言事項」を区別しておくことが大切です。
1.財産の分け方だけではない!法定遺言事項の代表例
法定遺言事項とは、法律によって「遺言で定めることができる」と認められている事項のことです。代表的なものとして、相続人や第三者に財産を渡す「遺贈」、相続人ごとの相続分を指定する「相続分の指定」、具体的な財産を誰に取得させるかを決める「遺産分割方法の指定」などがあります。たとえば「長男に自宅を相続させる」「長女には預貯金を相続させる」といった内容は、遺言によって指定することができます。
そのほか、一定の要件のもとで、相続人の廃除やその取消し、認知、未成年後見人・未成年後見監督人の指定、遺言執行者の指定なども法定遺言事項に含まれます。また、遺産分割を一定期間禁止することや、特別受益の持戻しに関する意思表示など、相続をめぐるさまざまな事項について遺言で意思を示せる場合があります。
ただし、遺言書に書いた内容がすべて法的な拘束力を持つわけではありません。「家族は仲良く暮らしてほしい」「お墓を大切にしてほしい」といった希望は、重要なメッセージではありますが、原則として法定遺言事項とは異なります。こうした思いは「付言事項」として記載することで、遺された家族に気持ちを伝えることができます。
2.「書けば全部有効」ではない!遺言作成で知っておきたいポイント
遺言書を作成するときに注意したいのが、「書いてあること」と「法律上の効力が認められること」は必ずしも同じではないという点です。法定遺言事項に該当する内容であっても、遺言の方式や記載方法に問題があれば、希望どおりの効果が得られない可能性があります。
特に自筆証書遺言では、法律で定められた方式を守る必要があります。財産目録の作成方法には一定の特則がありますが、本文については原則として本人が自書するなど、細かなルールがあります。また、相続させたい財産を明確にするためには、不動産であれば所在地や地番、預貯金であれば金融機関名など、財産を特定できるように記載することも重要です。
さらに、「全財産を長男に相続させる」といった内容を作成したとしても、他の相続人の遺留分をめぐる問題が生じるケースがあります。そのため、単に希望する相続内容を書くだけではなく、家族構成や財産内容、相続人それぞれの事情まで考慮して遺言を作ることが大切です。
遺言は「自分の財産をどうしたいか」を最後に伝える重要な意思表示です。特に不動産を所有している場合は、財産の分け方によって相続人の負担や将来の売却・管理にも影響します。作成前に専門家へ相談し、法的効力のある事項と家族へのメッセージを整理しておくと、より実効性の高い遺言につながります。
