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2026/08/11 遺言の付言事項とは?家族への「最後のメッセージ」を遺言に残す意味
遺言書には、財産の分け方など法律上の効力を持つ内容だけでなく、家族への感謝や、なぜそのような財産配分にしたのかという理由などを書き添えることができます。これを「付言事項(ふげんじこう)」といいます。付言事項そのものには原則として法的な強制力はありませんが、遺された家族に自分の気持ちや考えを伝えることで、相続人同士の理解を深め、争いを防ぐきっかけにもなります。今回は、付言事項を書く意味と、実際にどのような内容を残せばよいのかを分かりやすく解説します。
1.付言事項は「財産」ではなく「想い」を伝える場所
遺言書というと、「自宅は長男に相続させる」「預貯金は妻に相続させる」といった財産の分け方を記載するものだと思われがちです。しかし、遺言を残す本当の目的は、単に財産を分配することだけではありません。
「なぜこのような分け方にしたのか」「これまで家族にどのような感謝を感じていたのか」「相続をきっかけに家族が争うことなく、これからも仲良くしてほしい」といった気持ちを伝えることも、遺言の大切な役割の一つです。
そこで活用したいのが「付言事項」です。付言事項には、遺言者から相続人や家族に向けたメッセージを書くことができます。
例えば、「長年支えてくれた妻に自宅を残したい」「長男にはこれまで家業を手伝ってもらったため、このような財産配分にした」「兄弟姉妹で争うことなく、互いに助け合ってほしい」といった内容です。
こうした事情を遺言書に残しておけば、相続人が財産の配分だけを見て「なぜ自分だけ少ないのか」と疑問を抱いたときにも、遺言者の考えを知る手がかりになります。
ただし、付言事項は原則として法的な強制力を持つものではありません。だからこそ、財産の指定など法的効力を持たせたい事項と、家族への想いを伝える付言事項を区別して記載することが重要です。
2.付言事項に何を書く?「ありがとう」と「これから」を残す
付言事項を書く際に大切なのは、財産配分の説明だけに終わらせず、「家族に何を伝えたいのか」を考えることです。
代表的なのは、まず「感謝」です。配偶者や子ども、兄弟姉妹など、これまで支えてくれた家族への感謝の言葉を、自分自身の言葉で残します。特別な文章にする必要はありません。「今まで一緒に頑張ってくれてありがとう」という一言でも、遺された家族にとって大きな意味を持つ場合があります。
次に、「財産配分の理由」を書く方法があります。特定の相続人に多くの財産を残す場合、その理由を具体的に記しておくことで、相続人の理解につながる可能性があります。
そして、「家族への願い」も重要です。「兄弟で仲良くしてほしい」「母親のことを大切にしてほしい」「相続をきっかけに家族が疎遠にならないでほしい」など、遺された家族への最後のメッセージを残すことができます。
付言事項は、形式的な文章にする必要はありません。むしろ、本人らしい言葉で書くことに意味があります。
ただし、相続人を責めるような表現や、誰かを非難する内容は、かえって感情的な対立を生む可能性があります。「誰が悪かった」という過去の整理よりも、「これから家族にどうしてほしいか」という前向きなメッセージを意識するとよいでしょう。
遺言書を「財産を分けるための書類」だけではなく、「家族への最後の手紙」と考えると、付言事項の大切さがより分かりやすくなります。
