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2025/08/12 相続が“争族”に変わる危険信号とは?
相続の現場に長く携わっていると、「相続=家族の分裂の始まり」になってしまうケースを少なからず目にします。
本来は感謝とバトンの引き渡しの場面なのに、遺産がきっかけで兄弟姉妹が絶縁…そんな悲しい事態を避けるためには、争族に陥りやすい“傾向”を知っておくことが大切です。
■ 争族になりやすい3つのパターン
1. 遺言書がない・不備がある
「うちは揉めないから大丈夫」と遺言書を残さないケースは非常に多いですが、むしろそれが争族の火種になります。法定相続分をめぐる解釈の違いや、不動産の分け方で意見が対立するのは典型的なパターンです。
2. 相続財産の多くが不動産
現金なら分けやすいのですが、不動産は分割が難しく、売却や共有に関する意見が割れやすいのが特徴です。「住み続けたい」派と「換金したい」派が衝突するケースも少なくありません。
3. 相続人間の関係が希薄
日頃からの交流が少ない家族ほど、感情のこじれが大きくなります。普段の関係性が希薄だと、話し合いが“損得勘定”だけになりやすく、歩み寄りが難しくなります。
■ 予防のカギは「事前準備」と「見える化」
争族を防ぐためには、
・公正証書遺言の作成
・財産の内容と評価額の把握
・生前からの意向共有
特に不動産は評価や分け方で揉めやすいので、早めに専門家を交えて整理しましょう。
争族は、“財産の多い家”だけの話ではありません。
ちょっとした行き違いが、家族関係を一生取り戻せないものにしてしまうこともあります。
もし「うちは大丈夫かな…?」と少しでも感じたら、早めの相談が何よりの予防策です。
【実例ストーリー】
とあるご家族は、とても仲の良い兄弟姉妹。
相続が起きても「うちは揉めることなんてないですよ」と笑っておられました。
しかし、お父様が急逝し、遺言書がなかったために事態は一変。
■ 実際に起きた“争族”のケース
長男は「父が残した家には母を住まわせたい」と主張。
一方で次男は「自分の生活もある、持ち分を換金したい」と訴えました。
双方とも間違っていないのに、話し合いは次第に感情的に…。
「お前は親の面倒なんて見てないじゃないか!」
「そんな言い方するなら、もう連絡しない!」
気がつけば、兄弟は口もきかなくなり、法廷で争うことになってしまいました。
■ 争族を招きやすい3つの傾向
遺言書がない、または内容があいまい
意向が書面で残っていないと、全員が“自分の正義”を主張します。
財産の大半が不動産
売るか、貸すか、住み続けるか…方向性が揃わないと対立します。
日頃の交流が少ない
感情のクッションがないため、すぐに“利害だけの話”になります。
■ 防ぐための一歩は「見える化」と「事前共有」
・財産の種類と評価額を家族で共有
・公正証書遺言を作成
・早めの専門家相談
たったこれだけで、争族のリスクは大きく減ります。
相続は、財産額に関係なく誰にでも起こる家族の試練です。
「うちは大丈夫」と思っているうちに火種が広がることも珍しくありません。
もし今、「親も高齢だし、何か準備したほうがいいかな…」と感じたら、ぜひ早めにご相談ください。
家族の絆を守るための一歩、今日から踏み出しましょう。
